液化天然ガス(LNG)の需要

LNGは、天然ガスを極低温で冷やし液化させたもので、火力発電所の燃料や都市ガスの原料に使います。石油や石炭より、燃焼時のCO2排出が少ないのが特徴です。地球温暖化の対策のため、世界で需要が高まっています。LNG生産は、米国やオーストラリアで多くなっています。
日本は、1969年に世界に先駆け輸入を始め、現在もほぼ全量を輸入に頼っています。価格の変動を抑えて確実に調達するため、輸入量の8割を長期契約で確保しています。2022年の地域別の調達先は、4割がオーストラリアで、中東からも約1割を輸入しています。
日本は、長く最大のLNG輸入国でしたが、2023年の輸入量は6,600万トンと中国に次ぐ世界2位でした。国が水素など脱炭素燃料の活用を模索し、企業は新たな契約を結びにくくなってきています。生産国との関係も薄れ、中東では中国が買い手として台頭してきています。国も危機感を強め、2023年夏には、岸田文雄首相がカタールを訪問し、LNGを含むエネルギー分野での協力強化で合意しています。

 

(2024年4月24日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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