熱中症リスクの遺伝子判定

理化学研究所発のスタートアップであるダナフォームは、遺伝子検査で熱中症リスクを判定できるサービスを始めています。検査キットの郵送で、熱中症の重症化を引き起こしやすい遺伝子を持つかどうかなどを調べます。酷暑のシーズンが到来し、工場や建設現場で導入する動きが出てきています。
人間には、エネルギー代謝に関わる重要な酵素をつくるCPT2と呼ばれる遺伝子があります。徳島大学などの研究グループが、この遺伝子に変異があると、体温が高い時にエネルギーの代謝機能が下がることを発見しました。ダナフォームはこの結果を応用し、遺伝子検査サービスを開発しました。健康な人のうち、熱中症に関わる遺伝子に変異があったのは2割でした。
熱中症は体温の調節機能が働かなくなり、意識障害などを起こし、死亡することもあります。年齢や疲労のほか、体を暑さに慣らす暑熱順化ができているかどうかも発症に影響します。変異型の人は、熱中症の初期段階から一気に重症化する可能性が高いとされています。綿棒で口内の粘膜をこすり、容器に入れて郵送すると、CPT2の遺伝子の検査結果が数日以内にメールで届きます。個人向けは2,970円で販売されています。

(2024年7月17日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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