物価高による企業倒産の増加

東京商工リサーチの調査によれば、4~9月の物価高が影響した倒産は334件と、前年同期の2.7倍に急増しています。道路貨物運送業者が66件と突出しています。燃料費や人件費が上昇しているのに、価格転嫁が進まず、支払い原資を確保できないことが影響しています。次いで資材高や人手不足に悩む建設業も多くなっています。
食品の値上げは進んだものの、取り扱う食品スーパーも経営は厳しくなっています。帝国データバンクによれば、食品スーパー事業を展開する企業1,100社のうち、3割に当たる349社が2022年度の業績が赤字となっています。上昇した仕入れ価格の転嫁は進んだ一方、水道光熱費や人件費の上昇分は転嫁できていないケースが多くなっています。
日本は海外と比べて十分に価格転嫁ができていません。企業は、原材料価格の上昇ペースが鈍化しても、安売りに戻るのではなく、商品やサービスの価値を上げて正当な価格転嫁をし、給料を上げるマインドが広がることが大切です。

(2023年10月25日 東京新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。