睡眠不足と心身の異常との関連

厚生労働省の2023年版の過労死等防止対策白書によれば、睡眠時間が理想より不足すればするほど、うつ病などになるリスクが高まるとしています。心身の健康を保つためには、睡眠時間の確保が重要であると指摘しています。
理想とする睡眠時間は、7~8時間未満が最多の約45%でしたが、実際に確保できているのは、5~6時間未満が最も多く約36%でした。睡眠時間と精神状態の関係を比較したところ、うつ病や不安障害の疑いがある人の割合は、理想の睡眠時間を確保している場合や、理想より1時間不足している場合では20%未満でした。これに対し、理想から2時間不足すると約28%、3時間不足すると約37%に上り、理想と実際の睡眠時間の差が広がると、精神状態が悪化する傾向が見られています。
前日の疲労を翌朝に持ち越すことがある人の割合は、労働時間が週20~40時間未満で約53%だったのに対し、週60時間以上では約69%に達しています。労働時間が長い人は、疲労を翌日に持ち越しやすく、うつ傾向も高くなります。心身の健康を保つため、睡眠時間を確保することが大切です。

(2023年10月14日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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