研究費の配分

筑波大学と弘前大学の研究チームが、研究費と研究成果の関係を調べています。科学研究費助成事業(科研費)は、文部科学省所管の日本学術振興会が交付する研究助成金で、大学や研究機関、企業の研究者から研究を提案してもらい、将来性のあるテーマに支給しています。基礎研究が多く、採択率は約3割です。
科研費の1件あたりの額を100万~200万円、2,000万~5,000万円、1億円以上などと区分して、それぞれの区分に対して、政府が配った総額とノーベル賞級のキーワードが入っていた論文の数を比較しています。論文数は研究費が多くなるほど増えています。しかし、1件あたりの研究費が500万円以下の場合の方が、それ以上の金額を配るより、投資効率が高いことが判明しています。
政府が5年ごとに定める科学技術・イノベーション基本計画では、第2期の2001年度以降、選択と集中が打ち出されています。しかし、選択と集中よりも少額を多くの研究者に配った方が影響力の高い研究成果が出ています。

 

(2023年9月29日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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