移植受け入れ断念の増加

脳死者から提供された臓器の移植手術を行う大学病院が、臓器の受け入れを相次いで断念しています。東京大、京都大、東北大の断念例が、2023年の1年間で計62件に上っています。理由としては、集中治療室(ICU)が満床だったとする回答が3割で最多でした。受け入れの断念は、東大36件、京大19件、東北大7件です。臓器別では、肺36件、肝臓16件、心臓10件でした。

 

国内で臓器提供者数は徐々に増えています。日本臓器移植ネットワークによれば、昨年、脳死下での臓器提供は、過去最多の132件、心停止後を含めると150件です。臓器は不足しています。移植を待つ患者数は、今年4月末時点で1万6,000人超で、移植待機期間は心臓で3年半、腎臓は15年で、2023年には463人が待機中に亡くなっています。
日本の提供者数は先進国では最低の水準です。心停止後を含む提供者数は、2022年に日本は人口100万人あたり0.9人で、韓国の7.9人、米国の44.5人を大幅に下回っています。

(2024年5月26日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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