精神科での身体拘束

 精神科病院で手足をベッドにくくりつけるなどの身体拘束を受けた患者が増加しています。全国で1万人以上にも上っており、10年前の2倍に増えています。内側から開けることができない保護室に隔離された患者も、3割増えています。この増加の原因として、アルツハイマー型認知症患者の割合が増えていることが関与していると考えられています。 精神科でも認知症患者の割合は増えており、本人が治療を理解できず、協力してもらえないケースもあります。特に夜間は少ない人員で多くの患者を担当するため、安全を優先するため、拘束や隔離を行うことになりやすくなります。安易な身体拘束であると指摘する声もあり、人としての尊厳や権利の制限につながると懸念する声もあります。身体拘束の適切性を示すためには、実施基準を定めることも必要となります。

(2016年5月10日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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