職場のホワイト化

リクルートワークス研究所の全国就業実態パネル調査によれば、月45時間以上の残業をする人の割合は、2022年に11.6%と、2016年比で4.2ポイント低下しています。就業者1人当たりの平均年間総実労働時間は、短時間労働者の増加もありますが、G7でちょうど真ん中の4位です。有給休暇の取得率も過去最高を更新しています。この10年で人への投資に対する認識も高まり、ホワイト企業が増えてきています。

ホワイト化は歓迎すべき流れですが、行き過ぎには罠もあります。労働環境は厳しくないが、やりがいや成長を感じられない職場を示すゆるブラックと言われかねません。若手社員の中には、ゆるすぎる職場に不安を感じる人も出てきています。自分は別の会社や部署で通用しなくなるのではないかと感じたり、学生時代の友人・知人と比べて、差をつけられているように感じるといった不安が高まっています。

働きやすく、働き甲斐もある真のホワイト企業への進化をいかに遂げるかが大切となってきます。社員の起業を応援する取り組みも始め、挑戦意欲をかき立てようと工夫を重ねることが必要になってきます。人的資本経営の本気度が問われています。

(2023年10月16日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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