若者の自殺増

日本の自殺者は、2003年の3万4,427人をピークに減少し、2万人台で推移していましたが、昨年は13年ぶりに男性が増え、女性も3年連続の増加となっています。このうち、小中高生の自殺は514人で、初めて500人を超え、統計開始以降最多となっています。これに大学生と専修学校生を含めると、1,063人にも上っています。先進7カ国(G7)の自殺死亡率を比べると、全体、10代、20代のいずれも日本が最も高くなっています。

若者の自殺が増えた理由について、コロナ禍の影響が大きいと指摘されています。①飲食店など内需型のサービス業が打撃を受け、そこで働く女性や若者の経済状態が厳しくなった、②隠れていた家庭内のストレスが外出自粛で噴出し、家族間の摩擦や暴力が増えた、③ストレスを緩和する外部との交流が大幅に減り、小中高生や大学生の孤独感が増したと考えられています。
政府は、こども家庭庁や厚生労働省、文部科学省などによる関係省庁連絡会議を発足させ、6月にこどもの自殺対策緊急強化プランを発表しています。各省庁が来年度予算の概算要求を行った自殺対策全体の合計は、約55億円にも上っています。

(2023年11月23日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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