薬価の引き下げ

2024年度に薬の公定価格である薬価が引き下げられます。医療の対価として医療機関が受け取る診療報酬を厚生労働省が改定し、患者負担を軽減します。浮いた財源を少子化対策や医療従事者の賃上げに回すとしています。医療費の4分の1は国費で賄うため、薬価を下げれば国費が浮くことになります。
診療報酬は、医療機関や薬局が医療サービスに対する対価として受け取る報酬を指します。医師らの技術やサービスの評価にあたる本体部分と、医薬品の代金にあたる薬価の2つからなります。医療機関は、人件費や医薬品などの購入、医療機器や施設の維持にかかる費用を診療報酬で賄っています。国が全国一律に定める公定価格のため、医療機関はコスト増を価格転嫁しにくい状況にあります。
2024年度は、物価高の影響や民間企業の賃上げが行われる中で改定を迎えます。医療団体はこうした情勢を背景に増額を求めています。政府は、予算編成の過程で2023年末までに税金をどれだけ診療報酬に回すかの大枠を決めます。診療報酬の総額は毎年の医療費とほぼ同じで、2022年度は概算の医療費が46兆円でした。

(2023年9月21日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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