遠隔死亡診断

 医師法は、死亡診断書の交付に医師の診察を義務づけています。厚生労働省は、医師による対面が原則の死亡診断書の規制を緩めます。医師がすぐに駆けつけることができない場合に、スマートフォンなどを通じて患者の状況を把握することなどを条件に死亡診断書を出せるようにします。高齢化に伴い死亡者が増える多死時代を迎えます。この規制緩和により、自宅や介護施設、離島などでのみ、とりがしやすくなります。
 自宅療養する患者宅などを看護師が訪問し、心停止や呼吸の停止、瞳孔の開きを間隔をおいて2回確認します。外傷の有無なども観察し、スマートフォンやタブレット端末で遺体の写真などとともに医師に送ります。医師は死亡と確認すれば、看護師に死亡診断書の代筆を指示し、医師はテレビ電話などを通じて遺族に口頭で説明します。代筆を指示できるのは、患者が死亡する2週間以内に診察していた医師です。

(2017年6月30日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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