遺伝子検査ビジネス

 現在、わが国における遺伝子検査ビジネスは、業界団体の自主ルールなどしかなく、検査の科学的水準の確保や検査後の情報管理の必要性が大切となります。病気のリスクなどを調べる検査は、顧客の生命や健康に影響を及ぼす恐れもあります。科学的根拠の確保などの制度設計に厚生労働省も取り組む必要があります。
 遺伝子検査に携わる業者は、現状では社会的混乱などは起きておらず、新たな法規制は必要ないとしています。自主規制にこだわるのは、医療並みの法規制をかけられれば検査コストなどが上昇し、インターネットなどを通じて多数の顧客に安価なサービスを提供しにくくなるからです。欧米では、遺伝子検査は医療の一環と考えられており、ビジネスは保健当局が厳しく規制している国が多くなっています。根拠の乏しい検査ビジネスを行う悪質な業者を排除するには、医療かビジネスかを問わず、遺伝子検査を一つの法律や規定のもとに管理していくことが大切です。

(2017年3月21日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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