長引く咳

 風邪など感染症が原因の咳は、大半が3週間未満で自然に治ります。一方、喘息による咳は長く続くうえ、何もしないでいると悪化することがあります。咳や息苦しさなど喘息の発作は、特に深夜から明け方の就寝中に悪化しやすくなります。喘息が重症化すると、歩行や階段の昇降といった日常的な動作をきっかけに咳や呼吸困難が起こります。
 喘息は、大人になってから発症する場合があり、風邪が原因となることがあります。風邪による炎症が気道に及び、咳だけが長期間続く咳喘息を発症します。放置すると炎症が悪化し、3~4割が気管支喘息に進行してしまいます。気管支喘息は咳に加えて、息を吐くたびに喘鳴と呼ばれるゼーゼーヒューヒュー音がしたり、呼吸困難になったりするのが特徴です。2、3週間ほど咳が続くなら、呼吸器の専門医を受診すべきです。寒暖差が大きい季節の変わり目や、台風などによる気圧の急変、エアコンなどの冷気、タバコや線香の煙、香水、風邪などが引き金になります。

(2017年10月14日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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