1人あたりGDPの順位の低下

わが国の1人あたりのGDPは、年々順位が低下しており、2021年にはOECD加盟38カ国の20位です。2022年はイタリアに抜かれ、G7で最低の21位に落ちています。
日本経済研究センターの予測によれば、日本の成長率は趨勢的に低下し、2031~2035年度の平均は名目で0.8%、実質ゼロ%にとどまります。少子高齢化に伴う労働力の減少が足を引っ張り、生産性の向上などで補えなくなっています。名目GDPの総額では、2023年にドイツに抜き返され、世界4位に転落する可能性があります。米金融大手ゴールドマン・サックスの予測によれば、2050年には6位、2075年には12位まで後退するとされています。
就業者1人当たりの労働生産性は、OECD38カ国の29位です。科学技術などのデジタル競争力は、世界64カ国・地域の32位です。上場企業の新任最高責任者(CEO)の中央年齢は60歳で、世界平均を7歳上回っています。バブル崩壊後の相次ぐ危機に萎え、ひたすらリスク回避や縮小均衡に走っています。コーポレートガバナンス改革やデジタルトランスフォーメーションなども表面的なものに終始し、年功序列や前例踏襲の殻を破れていません。

(2023年12月19日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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