出生証明書

 医師や助産師が立ち会わないで出産すると、出生証明書がもらえず、赤ちゃんの戸籍づくりに大きな負担がかかります。東京都内の20代女性は自宅で出産し、救急隊員にへその緒を切ってもらいました。搬送先の都立大塚病院で胎盤を出す処置が行われました。出生届を出す際に必要な出生証明書の発行を団体が求めたところ、病院は出産に立ち会っていないと証明書を出さず、診断書のみ発行しました。出生証明書がないと市区町村で出生届は受理されず、法務局による親子関係の確認が必要になることが多く、戸籍ができるまで2カ月も要しました。
 同病院の考えでは、「出産に立ち会った」とは、子どもが生まれる瞬間を確認することだと解釈しています。公的な病院であり、法律の順守が大事だと考えていると説明しています。医師法などは、出産に立ち会った医師らが出生証明書を出すと定めていますが、何を持って立ち会ったとするかの判断は病院によって異なります。新生児が実子である蓋然性が高ければ、病院が出産証明書を出していました。国にも明確な基準はありません。

(2017年5月11日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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