がん生殖医療

 近年がん治療の進歩により、若い世代のがんの生存率が高まり、治療後に出産を希望する患者が増えています。しかし、抗がん剤や放射線によるがん治療により、妊孕性が低下し、将来子どもをもつことができなくなることがあります。そのためがん治療前に卵子や卵巣を採取し、凍結保存して将来の妊娠に備える医療技術が開発されています。
厚生労働省研究班の調査によれば、経済的支援があれば卵子や卵巣、受精卵の凍結保存を希望するとみられる患者数は、年2,622人と推計されました。そのために必要な医療費の総額は年88,432万円と試算されています。経済的な理由で妊孕性温存のための卵子や卵巣の凍結が受けられない場合もあり、公的支援が強く望まれます。

(2017年5月20日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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