生活保護受給者の精神科入院

医療経済研究機構の調査によれば、生活保護を受けて精神科病床に入院している人の割合が、都道府県間で最大約7倍の差があることがわかりました。長期入院している人も多く、精神科病床数が多いほど入院している生活保護受給者が多い傾向がみられました。人口10万人当たりでみると、精神科病床に入院している生活保護受給者数は、全国平均で36.6人です。都道府県別で最も多かったのは長崎県の83.3人で、全国平均の2倍以上入院していました。一方、最も少ない長野県は12.0人で、全国平均の3分の1以下であり、最も多い長崎県との差は約7倍でした。
生活保護受給者の医療費は、公費(医療扶助費)から支出され、患者の負担はありません。精神科病床が多ければ、入院が必要でない患者も入院している可能性があります。医療扶助費は年間約1兆8千億円にも上っています。このうち約15%が精神科への入院の費用とみられています。国は、入院医療中心から地域生活中心へを掲げていますが、地域の受け入れ態勢が十分でなく、精神科病床が多いと長期入院につながってしまいます。

(2019年4月6日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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