大学入試における英語民間試験の利用

大学入試の一般選抜で、英語の民間試験を使えるようにする動きが広がっています。文部科学省は大学入学共通テストでの活用を見送りましたが、大学側が取り組んでいます。背景には激しい受験生獲得競争があります。入試で民間試験活用を始めた大学の割合は、文部科学省が導入を決めた2016年度以降、大きく増えました。文部科学省の方針転換で増え方は緩やかになりましたが、導入学部を広げる動きは活発で、活用する大学は今後も徐々に増える見通しです。
受験生にとっては出願先の選択肢が増えるメリットがありますが、費用面での課題もあります。英検は、今年度準1級の検定料が8,400円から1万7,000円になるなど、各級で値上がりしています。実施する日本英語検定協会によると、コロナ禍で新たな会場や人材を確保する費用がかさんだことによるとしています。高校側にとっては、費用面への懸念が強く、裕福な家庭ばかりの生徒だけが受験できるのは、不公平だとの意見もみられます。実施団体や大学、高校と協議する場を設け、受験生にとってより良い形になるよう議論することが大切です。

(2021年9月27日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。