ホスピス型住宅の増加

末期がんや難病の患者らに特化した介護施設であるホスピス型住宅が急増しています。アンビスホールディングスなど上場3社が運営する施設数は3年で2.7倍になり、今後3年でも約2倍になる見通しです。国が在宅ケアを推進する一方で、高齢者が終末期を過ごす看取りの受け皿が不足しており、開設ペースが速まる要因になっています。
厚生労働省によれば、2022年の国内死亡数は156万8,961人で、2021年の143万9,856人より12万9,105人増加と過去最高を更新しています。死亡数の9割は70歳以上の高齢者です。同居して介護する世帯のうち、高齢者の介護を別の高齢者が担う老々介護の割合も6割を超えています。国は費用がかさみがちな入院医療から、在宅サービスへの移行を進めることを基本としています。
受け皿として期待されているのがホスピス型住宅です。入居者はがんの末期状態の患者や国指定の難病患者など、医療的依存度の高い人に限定されています。病院にいるような安心感のある自宅の位置づけで、外出や飲食、家族と過ごす時間を持つなど、人生の最後を自由に設計できます。
利用者側の費用負担は、入居費用は月額10万〜20万円で、1〜3割の自己負担の介護費や医療費を足し、月額20万〜50万円程度です。高度な医療ケアが必要な人は、訪問看護を使う回数が多くなるなど顧客単価が高くなります。

(2023年8月17日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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