新設着工戸数の減少

資材価格の高騰で住宅価格が上昇するなか、注文戸建ての需要は落ち込んでいます。国土交通省によれば、2023年1~6月の持ち家(注文戸建て)の新設着工戸数は11万254戸と、2019年同期に比べて23.4%減少しています。分譲戸建ての5%減の6万8,944戸と比べても落ち込みが鮮明です。
2021年に米国で起きたウッドショックによる木材価格の上昇は落ち着いたものの、鋼材やガラス、樹脂サッシといった資材コストは、軒並み高止まりしています。注文戸建ては、間取りや見積もりを決める商談から施工、引き渡しまで時間がかかる分、人件費もふくらはぎやすくなります。価格上昇により、注文戸建ての需要は低迷が続いています。住宅展示場の来場者は、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年比でほぼ半減しています。
住宅市場では、マンションも注文住宅同様、価格の高止まりが続いています。都市部で高騰するマンションを購入できない層の関心も、戸建てにシフトしています。しかし、物価高で個人消費が弱含む中で、分譲戸建て市場の先行きを懸念する声も業界関係者からは出ています。

(2023年8月23日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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