児童虐待件数の増加

こども家庭庁の発表によれば、2022年度に全国の児童相談所が子どもの虐待について受けた相談は、21万9,170件で過去最多でした。32年連続で増加し、前年度より5.5%増えています。
虐待の内容は、心理的虐待が最多で59.1%の12万9,484件、次いで身体的虐待が23.6%の5万1,679件、ネグレクト(育児放棄)が16.2%の3万5,556件、性的虐待が1.1%の2,451件でした。
2021年度に虐待を受け死亡した子どもは74人で、前年度から3人減っています。0歳は26人で最多です。74人の子どものうち、50人が心中以外で亡くなっており、0歳が約半数で最多の24人です。このうち生後1カ月未満が最多の6人で、うち3人は生後24時間未満で亡くなっています。妊娠期・周産期には、予期しない妊娠、計画していない妊娠、妊婦健康診査の未受診などの問題が多く、それぞれ3割前後を占めています。主な加害者は、実の母が4割で最多の20人でした。
0歳や生後1日に満たない子どもの虐待死が多いことから、国は産前から支援が必要とされる特定妊婦の支援を強化します。来年度施行の改正児童福祉法には、親を頼ることができない、住む場所がないなどの特定妊婦やその子どもなどについて、自治体が日常生活の支援を行うよう明記されています。

(2023年9月8日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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