学童保育の充実

子育て政策というと未就学児への支援に特に力が入れられていますが、学校に上がった後の児童の居場所である学童保育の拡充が大切となってきています。こども家庭庁の速報値によれば、学童の利用者は5月時点で約145万人と、前年同月より約5万人増加しています。一方、希望しても利用できない待機児童は1万6,825人と、前年より1,645人増えています。一般的には学年が上がるほど、学童で預かる必要性が低いとみなされ、入所しづらくなってしまいます。
国は、2019~2023年度に計約30万人分の受け皿を増やす方針を掲げています。しかし、5月時点では約23万人分にとどまり、達成は厳しい状況にあります。受け皿整備が難しい要因の一つが職員不足です。募集しても職員が確保できないのは、待遇の低さが一因です。国も待遇向上に動き出してはいます。2022年2月から、指導員らの賃金を3%程度、月額9千円引き上げました。さらなる賃金の上昇や、職員が安定して働ける雇用制度を整えることが不可欠です。
受け皿の拡大に向けては、学童保育のスペース確保も課題です。今は小学校の空き教室などを使っていますが、十分確保できない学校もあります。そこで国は、家庭科室などの特別教室を活用するといった対策を検討し、年末までにまとめる方針です。

(2023年9月5日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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