梅毒患者数の増加

国立感染症研究所の発表によれば、性感染症の梅毒と診断された患者が、今年に入り1万人を超えました。現在の調査方法となった1999年以降、初めて1万人を上回った昨年より、約2か月早いペースとなります。都道府県別では東京が2,490人と最多で、大阪の1,365人、愛知の590人、福岡の588人と続き、都市部で多くなっています。梅毒は、主に性的接触で感染します。性器や口、肛門など感染した部分の潰瘍やリンパ節の腫れ、全身の発疹などの症状が出ます。早期に抗菌薬で治療すれば完治します。
梅毒の患者数は、2013年に1,000人を超えて以降、増加傾向が続き、2021年は7,978人、昨年は1万3,228人と、過去最多の更新が続いています。男性は20歳代から50歳代を中心に報告されており、女性は20歳代前半に多くなっています。患者が増えている原因は不明ですが、従業員への検査体制が不十分な性風俗営業や、SNSを通じて出会った相手との性交渉の増加が影響しているとの指摘もあります。
梅毒の感染を調べる血液検査は、ほとんどの医療機関や一部の保健所で受けられます。感染を広げないため、新たなパートナーができた時や不特定多数との性的接触があった時のほか、気になる症状があれば、すぐに検査を受けることが大切です。

(2023年9月13日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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