タクシー運転手の減少

タクシー運転手の人手不足は深刻さを増しています。2012年度に34万人ほどいた運転手は、2021年度に22万人と10年間で3割強減っています。平均年齢は58.3歳で、高齢者の割合も高くなっています。トラックやタクシー運転手を含む自動運転従事者の7月の有効求人倍率は2.63倍と、全職業平均の1.15倍を大きく超えています。東京など都市部のタクシー乗り場には、長蛇の列が目立つようになっています。
政府・与党内で一般ドライバーが乗客を運ぶライドシェア解禁の議論が急浮上してきています。インバウンド(訪日外国人)旅行客数の回復などでタクシー需要が高まる一方、運転手の減少に歯止めが掛からないためです。
一方で、安全面の懸念などから、タクシー業界を中心に反対の声が上がっています。事故が起こった時に誰が補償するのかといった問題点が残ります。実際に海外では安全性の懸念が生じる事案も起きています。英国では事故時の報告体制などを問題視され、ウーバーの営業免許を更新しない対応をとった過去があります。

 

(2023年9月21日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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