電動キックボードによる交通違反

電動キックボードによる交通違反の摘発は、都内で8月に600件を超え、歩行者が巻き込まれる事故も起きています。規制が緩和され気軽に利用できる一方、新ルールの導入から3カ月が過ぎても交通ルールの浸透はできていません。
電動キックボードは、目的地へのラストワンマイル向けに注目される新たな移動手段です。主に都市部での実証実験を経て、国は7月施行の改正道路交通法で規制を緩和しました。基準を満たす車両は、16歳以上は免許が不要で、利用の裾野が広がっています。シェアリングサービスは、一般的にスマートフォンに専用アプリをダウンロードして利用します。7月以降のダウンロード数はそれまでの2~3倍のペースで増え、9月末段階で100万を超えています。借りるだけではなく、車両を購入する人も少なくありません。
一方、交通違反は増えています。警視庁によると8月の摘発は616件で、新ルール施行前の6月の390件から5割以上増加しています。信号無視が半数を占め、歩道を走行するなどの通行区分違反も約4割に上っています。交通ルールの周知徹底と違反者へのペナルティー制度の導入により、安全な環境を整備していくことが大切です。

 

(2023年10月11日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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