社内転職の支援

会社員生活と切っても切り離せない人事異動につて、その主導権を会社から個人に移す動きが広がっています。働きたい部署でやりたい仕事ができるよう個人に情報提供し、時に助言もして会社が社内転職を積極的にサポートします。終身雇用の限界が指摘されるなか、会社と個人のパワーバランス見直しが迫られ、キャリアの積み方は過渡期にあります。
リクルートワークス研究所の調査によれば、欠員などを社内公募するジョブポスティングを37.9%が導入するなど、個人選択型異動制度は普及しつつあります。しかし、仕組みはあっても有名無実化している企業が多く、本格的に広がるのはこれからです。
日本型雇用では、仕事最優先で人生設計する社員が多数派でした。今は主軸を生活に置いたり、転職も視野にキャリアを考えたり、出世や昇給に強く拘らなかったりする社員もいます。会社主導より自ら手を挙げて異動した人の方がエンゲージメントが高く、経営にも利点があります。今後は異動の主軸を会社主導型から個人選択に切り替えることも必要です。

(2023年10月12日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。