放課後の学童の過ごし方

学童保育は、自治体の運営の他、NPOや企業に民間委託するなど、様々な形態があります。国は子ども40人に対し2人以上の職員、1人あたり1.65㎡以上、といった基準を参考に示しています。全国での放課後児童クラブ数は年々増加しています。
それでも数は足りず、今年5月現在、全国の学童保育の待機児童は1万6,825人で高止まりの状況です。代わりに習い事や塾に通う子も多いとみられ、学研教育総合研究所の2019年の調査によれば、習い事をしている小学生は、30年前に比べて倍増しています。習い事に通いたくても、通えるかは家庭の経済状況に左右されます。自然の遊び場も減り、小さい公園は禁止事項だらけです。

大妻女子大学の研究グループの調査によれば、千葉市では8割近く、宮城県気仙沼市では7割、群馬県みなかみ町では6割の小学生が、平日の放課後、週1日も外で遊んでいません。空き地や道路で友達と遊べる環境はなく、家にいてもらうしかない状況です。子どもをみる責任が保護者、特に母親に覆いかぶさって孤立し、子どもがしわ寄せを受けています。共働きも増えるいま、子どもが過ごしやすい環境をどう作るかが問われています。

(2023年10月20日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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