デジタル世代の新しいライフスタイル

みずほ銀行の2050年までのITなど主要産業を展望する調査によれば、生活必需品といえるスマホの世界の普及率は、2030年に現在の65%から60%に低下し、2050年に0%になると予測しています。スマホが影も形も無くなったとしても、生活のデジタル化は止まりません。眼鏡型のスマートグラスや、裸眼に装着するスマートコンタクトなどの次世代の情報端末が、スマホの代わりに生活に溶け込んでいくとしています。

2010年代以降に生まれたα世代や、1990年代半ば以降に生まれたZ世代が新しい世界のけん引役となると予想されます。2050年にZ世代とα世代以降が、総人口の半数を占める見通しです。生まれた時にはスマホが存在し、デジタル上のコミュニケーションが当たり前のα世代にとっては、次世代端末を駆使してメタバースなどで交流する時間が増していくのは必至です。

スマホも携帯電話も無かった時代には手軽に連絡することも難しく、待つことが当たり前でした。携帯電話などを経て、いつでもどこでも連絡できたり、情報を得られたりするスマホの普及は、タイムパフォーマンスを重視する生活につながりました。これからは現地に足を運ばず、夏休みの旅行や帰省などをメタバースの中で満足する人が増えそうです。テクノロジーの力で、身体や空間の制約から解放され、スマホで自分自身を撮影する自撮りはなくなり、旅先の写真で笑っているのは自分のアバターかもしれません。

(2023年10月30日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。