先天梅毒の増加

国立感染症研究所の調査によれば、梅毒に感染した妊婦から胎児にうつる先天梅毒と診断された赤ちゃんが、今年初めから今月5日までに34人になっています。現在の調査方法となった1999年以降で、年間最多を更新しています。大人の梅毒患者が増加している影響とみられます。梅毒全体の患者数は、今月5日までに1万2,679人となり、過去最多だった昨年の1万3,228人に迫る勢いです。
梅毒は、主に性的接触で感染します。性器や口にしこりができ、全身に発疹が出ます。妊婦が感染している場合、胎児にうつり、難聴や知的障害などを持つ赤ちゃんが生まれる恐れがあります。流産や死産に至る例もあります。
妊娠初期の健診では、梅毒の検査があります。感染が判明すれば抗菌薬で治療できますが、胎児への感染を完全に防げるわけではありません。子どもを望む人で梅毒が疑われる症状がある場合は、検査を受け、必要に応じ治療を受けることが大切です。

(2023年11月20日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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