認可外保育の有料化

国の指導監督基準によれば、安全面では保育室の一定面積の確保や転落防止設備の設置などを求めています。保育士に関しては、3歳児20人につき1人以上、4~5歳児は30人につき1人以上を配置するよう定めています。こども家庭庁によれば、2022年3月時点で条件を満たさない施設は3,500カ所と、全体の25%を占めています。安全確保など国の基準を満たさない認可外保育施設の保育料が2024年10月から有料になります。
施設の運営事業者が、資金不足で必要な設備を導入できなかったり、人材を確保できなかったりすることが背景にあります。利用者にサービス内容を掲示する義務を怠るといった事例も一定数にみられます。放置されれば、施設に子どもを預ける親にとっては負担増を迫られることになります。年換算では、最大で40万円超の支出増となるケースも想定され、物価高も続く中で家計に打撃となります。政府の子育て支援策の効果も弱まりかねない状況です。
全国で認可外保育所に通う児童数は、2021年度に23万2,995人で、3年前より6万人ほど増えています。こども家庭庁は、11月中旬に基準を満たさない施設の利用者に2021円4月の転園を促すよう自治体向けに通知を出しています。改善が進まない場合に、利用者の負担増を避けるための対策です。しかし、保育所を移るのは容易ではありません。公立保育所は原則4月入所となっており、年度途中に希望する保育所に空き定員があることはほとんどありません。

(2023年12月18日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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