日本語教師の国家資格

文化庁の2022年度調査によれば、日本語教師は全国に約4万4千人います。そのうち60代が21.9%と最多で、50代以上は全体の半数以上を占めています。教師の魅力の一つは、学生への指導力があれば年齢を問わず活躍できることです。家族の介護をしながら、自宅でオンラインで教えるなど、柔軟な働き方を選べるのもメリットとなっています。
現在、日本語教師は民間資格です。法務省は主に3つの方法による資格の取得を認めています。1つ目は、日本語学校などでの日本語教師養成講座(420時間以上)の受講で、学士以上の学歴が必要になります。2つ目は日本語教育能力検定の試験の合格です。もう一つ、大学で日本語教育を専攻する方法もあり、4年間通うのが基本ですが、学歴によって短い時間で単位を取得し卒業できる場合もあります。
2022年に留学で日本に入国した人は16万7千人と、新型コロナウイルス禍前の2019年の12万2千人を上回っています。日本語教師の需要が高まり、教師の質と量の確保が求められ、2024年4月から国家資格である登録日本語教員が新設されます。国内の日本語学校などで教える場合は、国家資格試験に合格する必要があるため、教師になるハードルが上がります。
国家資格の取得には、独学で試験に挑むルートと、大学や専門学校など養成機関で学ぶルートに大別されます。試験ルートの場合、基礎と応用の筆記試験に合格した後、国の指定機関で実践研修を受けます。養成機関ルートの場合、基礎の筆記試験は免除されます。養成機関ルートの場合、講座の受講料は、現行制度の相場で平均50万~60万円です。試験ルートでは、法律で定められた受験料や実践研修などの費用を合わせると10万円前後かかります。

(2023年12月20日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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