iPS細胞による子宮頸がん治療法の開発

順天堂大学の研究グループは、iPS細胞から、子宮頸がんを攻撃できて、移植しても拒絶されにくい免疫細胞を作製しました。健康な人の血液から免疫細胞を取り出し、子宮頸がんを攻撃できるようにしたうえで、いったんiPS細胞に変えて大量に増やしてから、再びがん細胞を攻撃する免疫細胞に変化させる手法を確立しました。
チームは、今回iPS細胞にした段階で、狙った遺伝子を改変するCRISPR/Cas9というゲノム編集技術を使い、移植しても拒絶されにくくしました。マウスの実験では、iPS細胞からつくった免疫細胞を投与すると、何も投与しない場合や血液からつくった免疫細胞を投与する場合と比べて、腫瘍が小さくなり、生存期間も延び、ゲノム編集によっても効果は落ちないことを確認しています。
子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が主な原因で、子育て世代の患者も多いため、マザーキラーとも呼ばれています。

(2023年12月27日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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