胃がん予防のために―Ⅲ

ピロリ菌の感染経路と診断
ピロリ菌の感染経路は、はっきりと分かっていません。しかし、上下水道が完備し生活環境が整った現在の日本では、大人になってからの日常生活や食生活でピロリ菌の感染は起こらないと考えられています。幼児期に母親から子どもへなど家庭内での感染が疑われます。免疫機構が完全ではない幼児期の胃の中は、ピロリ菌が生き延びやすい環境です。そのため、大人から子どもへの食べ物の口移しなどには注意が必要です。
ピロリ菌感染の有無を調べるには、内視鏡での胃の組織を採る方法と、それ以外の方法があります。内視鏡を使わない場合は、血液または尿中の抗体価を調べる方法と、呼気や便からピロリ菌がいないか直接調べる方法があります。人間ドックなどでは、血液中抗体検査法がよく使われます。

(よぼう医学 2023 秋号 №22)
(吉村 やすのり)

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