診療看護師への期待

4月から医師の働き方改革が本格化する中、診療看護師への期待が高まっています。救急外来で医師が診察する前に患者の状態を診て判断を仰ぎ、事前指示に基づき採血や検査をするなど、医師の負担を軽減しています。病院で活用が広がり、患者対応の向上にもつながっています。

診療看護師(ナース・プラクティショナー)は民間資格で、国家資格の看護師として5年以上の実務経験を経て、養成課程のある大学院修士課程(2年)を修了し、一般社団法人日本NP教育大学院協議会などの試験に合格すると認定されます。ハードルは高いのですが、合格者は増えています。
2023年度までに認定した診療看護師は、全国で計872人にとどまります。さらなる人材育成と資格の明確化が課題です。協議会は18の大学院を認定し、日本看護系大学協議会の認定施設と合わせると、約20の大学院に養成課程があります。養成の動きが進む中、職場を離れて学ぶ環境づくりも必要になってきます。ナース・プラクティショナー制度は、米国、カナダなどで導入され、医師不足などに対応しています。海外は看護師の範囲を超えた業務を行う国家資格が多い一方、日本は看護師の業務内の民間資格にとどまっています。

 

(2024年5月18日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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