子どもの夏かぜ

昨夏はコロナ下でなりを潜めていた感染症が、子どもを中心に猛威を振るいました。暑さや冷房で体調を崩しやすいこれからの季節、子どもの夏かぜには注意が必要です。夏かぜと呼ばれる病気の代表格は、ヘルパンギーナと手足口病、咽頭結膜熱の三つです。いずれも急な高熱と喉の痛みが特徴です。
ヘルパンギーナは、喉の入り口に水泡ができて痛み、同じ属のウイルスが原因の手足口病は手のひらや足の裏に赤いぼつぼつが広がります。咽頭結膜熱も発熱とともに目が充血して、なかなか熱が下がりません。特別な治療薬がないため症状を抑えて回復を待つしかありません。ヘルパンギーナや手足口病は数日、咽頭結膜熱は4~5日で熱が下がります。手足口病の原因となるウイルスは、まれに髄膜炎や心筋炎などの合併症を起こすこともあります。
機嫌をよく見て、急に食欲がなくなる、ぐったりしているなどの場合はすぐに受診すべきです。脱水を防ぐため水分補給も心がけることが大切です。三つの感染症の感染経路は、手を介してウイルス口などに入る接触感染や飛沫感染です。そのため、こまめな手洗い、おもちゃの消毒、タオルの洗濯などを心がけることが大切です。症状があれば、登園や登校は控えます。コロナ下で続けてきた感染対策が必要です。

(2024年5月25日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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