邦人の海外永住者数の増加

外務省によれば、2023年時点での海外永住者は57万4,727人と過去最多を更新しています。海外就労を目指す人のサポート事業を手掛けるGJJによれば、ここ3年程度でセミナー参加者の6割は女性が占めています。円安の進行で外貨建ての給与は、円換算で膨らむため海外就労の魅力は増しています。
Z世代は、子どもの頃からネットで海外の情報に接してきています。キャリア展望も明確で、日本企業に就職して経験を積んでから海外駐在の機会を待つよりも、自分の能力を最短で生かすために自ら道を切り開こうとする傾向が強くなっています。
海外就労は社会保険などでの課題はあります。代表的な例が、海外で就労する日本の会社員らが現地でも年金保険料を納める二重払いの問題です。いすれかの国の支払い義務を免除できる協定を、日本はこれまでに米国や英国など23カ国と結んでいます。タイやトルコなどとも交渉を進めています。また、欧米や一部のアジア諸国では、未経験者へのビザ発給が厳しくなっています。一足飛びに欧米で職を得るのは難しく、まずアジアで経験を積み、その後に欧米を目指すなど、柔軟なキャリア形成を考える必要があります。

(2024年5月29日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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