女性の厚生年金加入者の増加

厚生労働省の財政検証によれば、働く人向けの厚生年金が中心(20年以上の加入)となる女性は、現在65歳で37.7%なのに対し、30歳と20歳では7割以上になると推計されています。経済成長が進むシナリオだと20歳で8割近くに達します。一方、会社員・公務員の配偶者として扶養される専業主婦らの第3号被保険者の期間が中心となる女性は、65歳で36.1%なのに対し、20歳では13.2%まで減ります。
加入期間も延びるとみられ、厚生年金への加入期間が40年以上となる女性は、65歳で9.6%なのに対し、30歳は25.8%、20歳では31.4%と見込まれます。平均加入期間も、17年から30年弱にまで増えます。
厚生年金に加入する女性が増え、かつ長く勤務することは、年金財政の支え手の増につながるだけでなく、他ならぬ女性自身の老後保障の充実にもなります。試算では、単身女性の平均受給額は現在65歳の月9.3万円から、20歳は11.6万円に増える推計です。経済成長のシナリオだと19.8万円が見込まれます。
しかし、厚生年金への加入が1年未満で、国民年金のみに加入となる女性が、40歳と50歳でそれぞれ5%前後にのぼるとみられています。国民年金の場合、厚生年金より受給額が少ないだけでなく、長年にわたって受給額が抑えられてしまいます。厚生労働省は、将来的に女性の低年金は解消されるとしていますが、年金制度改革も含めて低年金者へ手当をすることが急務となっています。

(2024年7月18日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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