アジアのがん創薬向けの患者データ網の構築

 国際がん研究機関によれば、胃がんや肝臓がんの患者は7割がアジアに集中しています。東アジアに生息する特有のピロリ菌やアジアで発生率の高いウイルス性肝炎が、胃がんや肝臓がんを引き起こす原因の一つとされるためです。世界の新規がん患者数は年約2060万人に上り、その50.7%がアジアに集中しています。がん種によっても地域差が大きく、乳がんでは新規患者の45%がアジアである一方、胃がんや肝がんでは7割を超えています。

 がんは状態の変化が速く、がん治療薬の開発時に治験条件に合う患者を見つけるのが困難です。三井物産は出資先の病院グループのデータを中心にアジアで患者データを集めます。シンガポールのIT新興のオンコショットと協業し、データ網をつくります。病院ごとに形式が違う患者データをAIで整理し、匿名化した上で、患者の状態や遺伝子情報、治療経過などを外部から検索できるようにします。

(2026年9月11日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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