インフラ管理を支える人手不足は、全国的な課題となっています。将来はさらに厳しい状況が予想されています。国土交通省によれば、インフラ維持管理に携わる自治体職員など建設系技術者数は、2015~2050年で最大7割減少する見通しを示しています。2020年国勢調査や60歳以上の退職率の低下傾向などを踏まえると、2025年は1600万人、2040年は114万人、2050年は86万人となっています。2020年の194万人と比べて2050年は半分以下となる見込みです。

インフラ全体も老朽化しています。国土交通省の推計では、建設から50年以上となる割合は道路橋が2025年の42%から2040年に75%、ダムや水門などの河川管理施設は同26%から64%、トンネルも同28%から50%にそれぞれ上昇します。点検や補修の必要性は高まるのに、技術者や作業員は減り続けています。
全国のインフラ維持管理・更新費は、2018年度に5兆2000億円でした。老朽インフラが増える中、事後保全だと30年後に12兆3000億円に膨らむと推計されています。しかし、予防保全を進めれば、6兆5000億円に抑えられると試算されています。インフラが壊れてから直す事後保全から、不具合が生じる前に修復・補強する予防保全への転換が目指されています。

(2026年10月12日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)





