世界のロケット打ち上げは、近年急増しています。内閣府のまとめによれば、2025年に人工衛星などの軌道投入に成功したのは2020年の約3倍となる316回でした。米国がこのうち6割超の192回を占めています。米国は官民のすみ分けが鮮明で、NASAがアルテミス2などの難易度の高いプロジェクトを主導し、民間が衛星などの打ち上げに力を発揮しています。民間の大部分はスペースXです。

一方、日本はJAXAの主力ロケットH3の8号機の打ち上げが2025年12月に失敗したこともあり、今後の見通しが不透明です。衛星の打ち上げのほか、宇宙旅行などの有人宇宙輸送を目指す新興企業が登場していますが、計画通りに進む保証はありません。官民のロケット開発が滞れば、2030年代に年30回の打ち上げを目指す政府の目標達成が危うくなります。
スペースワンは、国内の民間ロケット打ち上げの先頭集団に位置付けられています。新興中小企業の技術開発を支援する政府の制度で、今後2年間にスペースワンに最大44.6億円、インターステラテクノロジズには最大73.7億円が交付されることになっています。政府は、国内の2030年代の宇宙産業市場を2020年の2倍の8兆円にする目標を掲げており、期待感を背景にスペースワンの出資者は当初の4倍の16社に増加し、200億円を超える資金を調達しています。

(2026年4月10日 読売新聞)
(吉村 やすのり)





