生物には一定のリズムを生み出す仕組みである体内時計が備わっています。ヒトの体内時計は24時間より少し長く、体内時計の指令のもと、睡眠や体温、血圧などの生体機能は、24時間周期で変動する概日リズムを刻んでいます。通常は光や食事で体内時計と概日リズムをあわせています。
大阪大学や金沢大学などは、体内時計を早めると期待される化合物を発見しています。その化合物は、体内時計の司令塔である脳の視交叉上核に加え、肺など全身の組織で遺伝子を活性化します。複数のたんぱく質と結合し、時計遺伝子のスイッチをオンにします。時差ぼけの改善や交代制勤務による睡眠障害の治療など向けに、約10年後の実用化を目指しています。
グローバルインフォメーションによれば、時差ぼけ改善の世界市場規模は2032年に2025年比31%増の6億1,610万ドル(約960億円)に拡大する見込みです。ビジネス目的の渡航について、国際出張中に労働力の効率を維持するため、時差ぼけ改善の需要が増加するとされています。
(2026年5月12日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)







