厚生労働省によれば、企業で働く障害者は昨年6月時点で約71万人と、10年前の1.6倍に増加しています。伸びが大きいのが精神障害者で、4.8倍の約17万人となっています。2018年から精神障害者も雇用義務の対象になったことが背景にあります。法定雇用率が今年7月から0.2ポイント増の2.7%に引き上げられ、働く障害者はさらに増える見込みです。
働く障害者への合理的配慮が事業主の義務となってから、4月で10年となっています。相談を受ける専従スタッフの配置など障害者が働きやすい環境整備が進んでいますが、配慮を巡るトラブルも起きています。就労経験がある精神障害者に行ったアンケートによれば、8割が働く上で障害による困難を経験していましたが、職場に合理的配慮を求めたことがある人は4割にとどまっています。求めづらい理由は、トラブルにならないか不安などです。
改正障害者雇用促進法では、過重な負担にならない範囲で、障害に配慮した施設整備や援助者の配置などを企業や自治体に義務づけ、能力を発揮できる環境を整えるよう求めています。具体例として、車いす利用者の机の高さを調節する、発達障害者への業務指示を明確にする、知的障害者には習熟度に応じて業務量を徐々に増やすなどを示しています。

(2026年4月23日 読売新聞)
(吉村 やすのり)





