国連機関の日本人職員数の低迷

 国連の統計によると関連する国際機関で働く日本人は2025年に1,140人で、国別の順位は32位と低迷しています。日本はG7で最も少なく、アジア圏でも中国の1,641人やバングラデシュの1,352人を下回っています。理由の一つは、各国が大きく増やしていることです。日本も人数は増えていますが、伸び率で後れをとっています。

 日本が国連へ拠出する分担金は世界で3番目に多く、2026年はおよそ2.2億ドルです。全体の6.9%を占め、米国の22%と中国の20%に続いています。カネは出してもヒトをうまく送り込めていません。学歴もネックになっています。国連機関で働くには、通例途上国の開発や人権、国際法など専門性を示す修士号が求められます。日本は国際的に修士号の取得者が少ない状況です。実務経験なども求められ、日本の学生にとってハードルが高くなっています。

 国際機関に送り込んでも、直接的に日本の国益のために働くわけではありません。しかし、貿易や紛争解決など重要なルールを決める際、特に関係する機関の要職を押さえることは、日本の考え方を反映させるうえで大切です。北欧や途上国は、比較的若くしてハイレベルの政治や外交職に就きます。日本人は経歴で見劣りします。有能な人材を見いだし、送り出した後も活動を支えることが必要です。

(2026年9月21日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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