有料老人ホームの入居時費用の高騰

 日本経済新聞らの調査によれば、東京都内の有料老人ホームの入居時費用は、2026年1月時点で1000万円を超え、8年で4割増えています。入居時費用は家賃の前払い金や施設の利用権などを購入するための費用にあたります。地価高騰や物価高を背景に終のすみか選びが難しくなってきています。管理費や食費、水道光熱費などを含む月額費用も29万7820円で15%増でした。

 有料老人ホームで5年間暮らした場合の費用総額は、単純計算で2787万9200円で、8年で510万円増加したことになります。国民年金の平均受給月額は約6万円です。入居時費用を老後資金で賄えたと仮定して、年金額と月額費用の差額は23万円を超えます。50代前半の子どもがいて平均的な年収である559万円を得ていたとしても、資金援助できる額には限界があります。

 費用相場の上昇は東京以外の地域にも及んでいます。都道府県別で入居費用が最も高かったのは京都府の1391万円で、4位に兵庫県の990万円が入っています。2018年比では京都が41%増、兵庫が13%増です。最高額が1億円を超えるような富裕層向け施設も増えてきています。埼玉だと入居時費用の中央値は330万円で、東京の3分の1の水準です。負担増を敬遠して、都外に流れる高齢者が増えています。

(2026年8月19日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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