東京都の空き家対策

 全国の空き家率は過去30年間増え続けていますが、都内は1998年からほぼ横ばいで推移しています。総務省の住宅・土地統計調査によれば、賃貸住宅の空き部屋などを含めて2023年時点で10.9%と全国平均の13.8%を下回っています。しかし、総住宅数が最も多いため、空き家戸数でみると全国最多となっています。現在都内には90万戸の空き家があり、数は年々増えています。

 2023年時点で、65歳以上の人がいる世帯は234万世帯で、そのうち持ち家に暮らす単身世帯が54万世帯、夫婦のみの世帯が44万世帯です。都はこの合計である約100万世帯の住居を空き家予備軍とみています。相続などを契機に空き家が増えると懸念しています。

 都は急増する前に先手を打つため、市場での取引促進のためのモデル事業を打ち出しました。利活用の見込みがない住宅の解体を進めるため、管理する区市町村への財政支援も行います。起業などに挑戦する若者のためにリフォームした空き家を貸し出す事業者に補助金を交付します。

 空き家の所有者に空き家特措法に基づき助言・指導するのは、区市町村の役割になります。改善しない場合は勧告や命令といった手続きに進み、最終的には、行政が代わりに除却を実施する行政代執行をします。しかし、行政代執行はハードルが高く、集中的に空き家の整理を進める自治体を支援します。

(2026年7月14日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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