膵臓がんのリスクとピロリ菌

 愛知県がんセンターは、胃がんの主要な原因であるヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の感染が、膵臓がんのリスクも高める可能性があるとの研究結果を報告しています。喫煙や飲酒、遺伝性がんの関連遺伝子など他の要因の影響を除いて比較分析したところ、ピロリ菌に感染したことを示す抗体の値が10単位上がると、膵臓がん発症リスクが4%ずつ高まるとされています。

 膵臓の部位別では、十二指腸に近い膵頭部のがんでは、ピロリ菌が長期に感染した影響がみられた人は、そうでない人に比べて3.0倍と高い発症リスクがあります。膵体部のがんでは、ピロリ菌への抗体陽性の人は陰性の人に比べて発症リスクが1.8倍と高くなっています。十二指腸からも最も遠い膵尾部では差がみられませんでした。

 ピロリ菌感染やそれに伴う炎症、感染後の胃内環境の変化などががん発症に影響している可能性があります。今後、実際に除菌した人で膵臓がんの発症がどう変わるかなどを慎重に調べ、ピロリ菌対策が予防につながるかを確認する必要があります。

(2026年9月14日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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