東京商工リサーチによれば、2025年の訪問介護事業者の倒産・休廃業件数は556件にも達しています。介護事業者全体の倒産・休廃業件数の約7割を占め、うち倒産件数は91件で、3年連続で最多を更新しています。2025年の介護職員の平均給与は、全産業の平均より約8万円低い月額31.4万円でした。賃金の低さも人手不足に拍車をかけています。

介護保険制度では、サービス提供に必要な人員や設備の基準を厚生労働省が定めています。中山間地域など過疎地では介護人材の確保が難しく、既に基準該当サービスや離島等相当サービスという基準緩和を認める仕組みがあります。それでも安定した経営が難しい状況にあります。
中山間地では利用者が広範囲に点在し、移動時間が長くなる一方で、その時間は介護報酬に反映されません。加えて、2024年度の介護報酬改定による訪問介護の基本報酬の引き下げや燃料費高騰も重なり、経営を圧迫しています。介護サービスの担い手の高齢化もあり、人材を確保するのが難しくなってきています。
このため、国が新たに導入するのが特定地域サービスです。人口減少地域で事業者の人員基準緩和などを認めるだけでなく、出来高払いに加え、月単位で定額を支払う包括払いも選べるようにしています。事業所によるサービス提供が難しい場合は、市町村が事業として実施できるようにします。2027年4月の開始を予定しています。

(2026年9月4日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)





