郵便事業の持続可能性

 現在、郵便法や郵政民営化法は全国一律のルールを設けています。日本郵便は週に5日以上の配達の義務があります。差し出しから原則4日以内に立地条件によらず戸別の宛先に届けます。この水準を将来にわたって維持するのは難しいとの声が上がっています。

 人件費はおよそ1.3兆円で高止まりしています。特に離島や山間部、過疎地域では集配に時間もかかり、負担が重くなっています。2025年度の郵便物は117億通とピークの2001年度から半分以下に落ち込み、採算が合わなくなっています。人口減やデジタル化といった構造的な変化による需要の縮小で、日本郵便は収益の悪化に歯止めがかかりません。

 郵便局の窓口も営業時間の短縮や指定日のみ開く体制を検討しています。2028年度までに、1万局で昼休止、150局で半日営業の導入を目指しています。郵便局は過疎地などで拠点を減らす自治体の業務などまで受託し、公的インフラの最後の砦になっている現実もあります。郵便事業やその基盤となる郵便局網をそれぞれどのレベルでどこまで維持すべきかは、縮む日本の針路も左右します。

(2026年8月18日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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