障害者施設職員による虐待件数の増加

 障害者施設職員らによる利用者への虐待は増え続けています。厚生労働省によれば、2024年度に自治体が認定した件数は過去最多の1,267件です。やまゆり園の事件を機に虐待への認識が高まったためか、自治体への相談や通報件数も、事件があった2016年度と比べ2.8倍の5,870件に上っています。

 虐待の発生要因は、教育・知識・介護技術等に関する問題が67.5%、倫理観や理念の欠如が60.2%に次いで、ストレスや感情コントロールの問題が58.7%が多くなっています。職員の処遇改善には取り組んできていますが、人手不足や物価高対策の側面が強く、職員のメンタルケアまで十分に対応できていません。

 国は、2024年度から都道府県から推薦された職員を、職場で同僚への指導や助言ができる中核的人材に育てる研修をしています。

 職員がSOSを出せる土壌が職場にないと、怒りは弱い人に向きます。職員をきちんとケアでき、虐待のヒヤリハットが起きたい際にチームの問題として受け止める体制が整っていれば、安心して働くことができるようになります。

(2026年7月20日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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