電子出版制作・流通協議会の調査によれば、電子書籍を貸し出す電子図書館を、全国の都道府県と市区町村のうち3割超にあたる613自治体が始めています。休館する図書館が多かったコロナ禍の時期に急増していました。電子図書館は、利用登録を済ませた地域住民らが、24時間いつでもスマートフォンやパソコンで電子書籍を借りられるサービスです。貸し出しの期間が過ぎると読めなくなります。
2020年には90自治体が導入していましたが、新型コロナウイルスの流行が始まってから急速に広まり、2023年には461自治体まで増えました。その後も増加は続き、34の都道府県と579の市区町村が導入していて、2020年と比べて7倍になっています。全国民の70.5%が利用可能になっています。都道府県別にみると、長野が100%で最も高く、福岡が68.9%、東京が66.7%で続いています。最も低かったのは秋田で3.8%でした。
全国の図書館で新しく入る紙の本は減っています。日本図書館協会によれば、2015年には1630万冊を超えていましたが、2025年には1300万冊弱となっています。一方で、資料の購入にかける費用は、2021年から2025年にかけて約8%増え、292億円超に達しています。紙の本が値上がりし、電子書籍の費用が加わったためとみられています。電子図書館を導入するには、業者から電子書籍の利用権を買う必要があります。利用回数や期間の制限があり、単価は紙の2倍から3倍になります。

(2026年9月6日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)





